UPDATE | 2023年03月01日
みなさんは、日本語の発音をよくするためにどんなことをしていますか? いろいろな方法があると思いますが、今回のコラムでは「シャドーイング」を紹介します。
INDEX
シャドーイングとは、聞こえてきた音声の少し後でその音声をまねする方法です。流れてくる音を影(シャドー)のように言うことで、自然な会話の発音ができるようになります。 シャドーイングは、音声を聞いた後にくりかえす「リピート」ではありません。リピートだと、頭でゆっくり考えてから話す練習になってしまいます。シャドーイングでは音声の会話のすぐ後で話さなければならないので、頭を速く使って速く話せるようになります。 音声のすぐ後で声に出して言うので、最初は少し難しいかもしれません。ここからは、シャドーイングの練習方法を紹介します。
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シャドーイングは、日本語がまだあまり上手じゃない人でも練習できます。練習する時には、会話が短い文の音声を探しましょう。 まず、録音・録画された音声を準備しましょう。好きなアニメやドラマ、テレビのアナウンサーの声、テレビのコマーシャル、シャドーイングの本、シャドーイングのアプリなど、どんな音声でもいいです。そして、同じ音声の同じ所を何度も聞きましょう。 そして、音声の中のシャドーイングできそうな箇所を見つけて、ときどき音をとめます。会話が長すぎるとシャドーイングが難しくなるので、短い会話からはじめましょう。 そして、最初は声に出さなくてもいいです。口を動かすだけでも十分です。この方法なら、バスや電車の中でもできます。 それから、小さい声でシャドーイングしてみましょう。録音した音声をよく聞いて、発音やイントネーションをまねします。小さい声で練習できたら、声をどんどん大きくしてみましょう。そして、自分の声を録音して、シャドーイングの元の音声と比べてみるのもいいです。 シャドーイングは、同じ会話の音声を5~6回練習するのがおすすめです。5~6回練習してシャドーイングできるようになったら、次の音声をさがしてシャドーイングしてみましょう。
シャドーイングをすると、いろいろな効果があります。 まず、日本語の音に慣れることができます。何度も音声を聞くことで、自然な日本語がどのような音になっているのかがわかるようになります。教科書で勉強するときには、日本語の自然な会話を学ぶのが難しいかもしれません。でも、シャドーイングで使う音声は、自然な会話で話しているものを選ぶことができます。自分が勉強したい会話の音声をぜひ見つけてみましょう。 つぎに、シャドーイングで新しい言葉を覚えられるようになります。シャドーイングの音声には初めて聞いた言葉が入っているかもしれません。それをどうやって使うのかを自然な会話から学ぶことができます。新しいことばは自分で調べなければなりませんが、シャドーイングの本やアプリには翻訳がついていることも多いです。ぜひ探してみてください。 シャドーイングに慣れてくると、自然な会話が少しずつできるようになります。例えば、会話の中で聞いたことのある文が出てきたら、シャドーイングで練習したとおりに答えることができるかもしれません。シャドーイングではいろいろな会話の音声を聞けますから、日本語で会話している時にシャドーイングの会話を思い出して、実際の会話がスムーズにできるようになります。
シャドーイングは毎日練習することが大切ですので、上手になるのに少し時間がかかるかもしれません。でも、毎日練習すれば少しずつ日本語が上手になりますよ。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
九州の日本語学校や大学で日本語を教えています。ゲームと漫画が大好き。 日本語を勉強している人のために地域の日本語教室を創るコーディネーターやWebライターの仕事もしています。
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