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UPDATE | 2024年01月17日

【日本の税金】留学生はいつ、どうやって、税金を納めるの?

皆さんにとって、日本の一番好きなところは何でしょうか?
ベラルーシ人の私にとっては、海も、山も、森もある豊かな自然です。しかし、当然ながら、その自然も街並みも、きれいなまま保つためにはお金が必要です。ご存知のように、そのお金を集めるために、政府は税金を徴収しています。(ちなみに、2023年の「今年の漢字」は「税」になったことを知っていましたか?)
日本人と同じく、外国籍の方も素敵な自然と街並みを楽しめ、非常時には警察、消防車、救急車を呼べ、様々な公共施設や公共サービスを使えます。そのため、日本にしばらく住んでいる外国籍の方や留学生も税金を納める必要があります。
しかし、税金の種類にも色々あり、具体的に何の税を、いつどうやって支払えばいいのでしょうか?そもそもどのぐらい住むと課税対象者となるのでしょうか?
この記事では、留学生が日本で納めなければならない税金について説明します。(なお、外国籍の社会人等に対する課税とは異なっているところがあるので、ご了承ください。)

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1.所得税

例えば、アルバイトをすると、給料をもらいます。その給料は所得となり、その個人の所得に対してかかる税金は「所得税」と呼ばれます。所得が多くなるほど、税率が高くなります。

【納める所得税の計算方法】

収入-経費など※1所得金額
所得金額-控除※2課税所得金額
課税所得金額×税率※3=納めなければならない所得税



※マークのところについて説明します。
1. 「経費」は、仕事・アルバイトを行うためにもらった金額です。例えば、アルバイト先までの交通費は経費に含まれます。また、もしアルバイトで自分の携帯を使って電話することが多く、その通信費をアルバイト先からもらった場合もその金額は経費となります。さらに、出張などでどこかで泊まる必要がありましたら、宿泊代金も経費として認められます。

2. 「控除」は、課税対象額を減少させる仕組みです。納税額を算出する際に個人事情によって適用される各種控除を差し引くことによって、納付金額が減ります。
例えば、大学や大学院など特定の学校に通っている留学生の方は、「勤労学生控除」が受けられます。ただし、専門学校や日本語学校に通っている人は対象外となりますので、ご注意ください。
また、租税条約を締結している国からの留学生であれば、所得税が免除される場合があります。出身国が租税条約の締結国であるかどうかについては、【外務省の条文検索サイト】にてご確認ください。
他の事情(例えば扶養家族がいる場合)を考慮する様々な控除もありますので、必要に応じて税務署で相談しましょう。

3. 税率は、課税所得金額によって決めるものです。以下の表をご参考ください。

課税所得金額

税率

控除額

1,000円~1,949,000円

5%

0円

1,950,000円~3,299,000円

10%

97,500円

3,300,000円~6,949,000円

20%

427,500円

6,950,000円~8,999,000円

23%

636,000円

9,000,000円~17,999,000円

33%

1,536,000円

18,000,00円~39,999,000円

40%

2,796,000円

40,000,000円以上

45%

4,796,000円



さて、所得税は具体的にどうやって納めるのでしょうか?
多くの場合、アルバイト先によって自動的に納付額は計算され、給与から差し引かれるので、自分で手続きを行う必要はありません。このように所得税が給与から差し引かれることは、「源泉徴収(げんせんちょうしゅう)」と呼ばれます。
なお、もしアルバイトの給料以外で、大きい所得があった場合は、自分で申告期限までに税務署に確定申告書を出して税を支払う必要があります。

各年分の所得税の申告・納付の期間は、翌年の2月16日から3月15日までです。自分は手続きが必要かどうか、その期限までにアルバイト先または税務署で相談しましょう。

「所得税を支払ってください」といったお知らせなどは届かないので、留学していたとき私も手続きが必要か、不要か悩んだことがあります。しかし、自分のケースについて期限までに税務署に相談して、分かりやすく説明してもらいましたので、安心できました。

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2.住民税

「住民税」は、住所がある都道府県と市区町村に納める税金です。 その年の1月1日時点で日本国内の住所があり、一定額以上の所得をもらっている留学生は住民税の課税対象者となります。納めるべき額は、前の年の1月1日から12月31日までにもらった所得で決まります。

住民税の納付方法は、特別徴収と普通徴収という二つの納付方法があります。
特別徴収は、所得税のように毎月給与から差し引かれ、アルバイト先により自治体に支払われます。アルバイト先は住民税を支払ってくれるかどうか確認しましょう。もし支払われない場合は、普通徴収という納付方法となります。
普通徴収は自分で支払うことを意味します。毎年6月ごろに市区町村から住民税納付書(納税通知書)が自宅に届きますので、それに従って書いてある金額を支払うことによって住民税を納めます。

アルバイトをしていない方、また前の年1年間の合計所得金額が一定額を超えない方は非課税対象となりますので住民税を支払う必要はありません。しかし、間違って納税通知書が届かないように、2月16日から3月15日までに市区役所に住民税の申告をしなければなりません。市区役所に所得がないことを知らせないと、非課税対象とのことを確定できないので、忘れずに申告を出しましょう。

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3.消費税

どんなお店のどんな商品の値段を見ても、「税込み」という記載のある値札が見られます。売られている商品の値段にどんな税が含まれているかと言うと、「消費税」です。

消費税は、商品の販売やサービスの提供に対してかかる税金です。カフェなどで飲食したときも消費税がかかります。
消費税はお会計のときに商品代金と一緒にお店に支払います。特別な手続きや追加の支払いは不要ですので、間違って支払いを忘れたというミスは起こらないはずです。

消費税の対象者は、外国人の方も日本人の方も含めて、日本に住んでいる方々全員となります。しかし、「短期滞在」の在留資格を持っている方は消費税が免除される場合があります。3か月以下の短い交換留学されている方、または短期日本語コースを受けに来日されている方はぜひ消費税免税店を確認してみてください!

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4.おわりに

日本には他にも様々な種類の税があります。例えば、自動車を持っている方は自動車税を納め、家などを持っている方は固定資産税を納めます。

在留カードを持っている留学生の方は、まずは「所得税」と「住民税」について分からないと、必要な手続きや納付の締め切りを過ぎてしまう可能性があるので、知っておくことによりトラブルを避けられます。私も元の留学生として「税金って難しいな」と考えたことが何回もあるので、皆さんも私と同じく困らないようにこの記事を書きました。参考になれば嬉しいです。

税金を納め、その税のおかげできれいにされている日本の好きなところを楽しみましょう!

この記事を書いた人

カンダジェンカ アレーナ

(株)アクセスネクステージ 外国人進路支援事業部の社員。ベラルーシ出身。2021年6月に来日し、2023年3月までお茶の水女子大学で国費研究留学生プログラムに参加。趣味はPCゲーム、絵描き、国際交流。

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