UPDATE | 2021年12月24日
オノマトペとは、自然な音や声、状態、動きを表した日本語の表現です。冬になると日本では「しんしん」「ぶるぶる」「ぽかぽか」といったオノマトペをよく読んだり聞いたりするようになるでしょう。日本語の読解文を読むときにもよく出てきます。この記事では例文といっしょに冬によく使うオノマトペを紹介します。意味を覚えて、今までよりもっと深く日本語のことを知りましょう。
INDEX
会話ではあまり使いませんが、日本語の文章でよく出るオノマトペが「しんしん」です。「雪」が静かに降る様子を表す言葉です。
オノマトペというと、音があるものに使われると思っている人もいるかもしれません。しかしこの「しんしん」は、音もなく雪が降っている様子を表しています。
また、「しんとする」という言葉は「静かになった」という意味です。「しん」は静かさを表す日本語なのです。日本語の漫画で「シーン」というモノローグ(monolog)を見たことがある人もいるのではないでしょうか。誰も話していない、音も声もしないことを表現するときによく使われます。
昔から日本人は自然の静かな状態をきれいだと感じていました。音がないものにもオノマトペを使うところに、そんな日本らしさが感じられます。
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震えている様子を表しているオノマトペが「ぶるぶる」です。寒いときはもちろん、怖くてたまらないときにも使います。例えば「映画に出た幽霊が怖すぎてぶるぶるふるえた」という使い方もできます。また、同じ意味で「がたがた」もよく使われます。
上の例文だと、「手足が震えてきた」と言ってもいいのですが、「ぶるぶるふるえた」と言うことで、聞いた人に、より寒さや怖さを伝えることができます。
日本人と話すチャンスがあれば、一度言ってみてもいいでしょう。文章にも出てきますが、会話で使うことのほうが多いです。
「暖かくて気持ちいいな」と思ったときに使うのが「ぽかぽか」です。暖かい春だけではなく、寒い冬に使っている人もよく見ます。
なぜなら冬は寒いので、何かあったときに、いつもより暖かさを感じる季節だからです。「外は寒いね」「家の中で暖房をつけたらぽかぽかするよ」や、「雪が降っているね。大丈夫?」「コートを着ているからぽかぽかしてるよ」など、会話で使うこともできます。
読解文でもよく目にするオノマトペです。冬と春、つまり一年の半分使えるので、1今から覚えて使ってみましょう。
オノマトペは試験の読解問題で役に立つだけではなく、日本人がどのような言葉の表現を大切にしてきたのかも知ることができます。
今年の冬は西日本や東日本でたくさん雪が降るかもしれないと言われています。静かに雪が降っている様子を見て「しんしんと降っているな」と思い、雪の中を歩いて「寒さでぶるぶるする」と言い、暖かい部屋に入って友達に「ぽかぽかするね」と話してみたら、日本語と一緒に日本の冬も楽しめるはずです。
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読書が好きなフリーライター。大阪で生まれ育ち2010年に上京。取材記事や書評、コラムを執筆。現在は文筆業のかたわら、都内の日本語学校で外国人に日本語を教えている。
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