「日本庭園」と聞くと、鯉が泳ぐ池や苔(こけ)がついた大小さまざまな形の石、砂で描かれた波模様などが一般的なイメージです。
ただ眺めているだけで不思議と心が落ち着く、正に日本独特の「侘び寂び(わびさび)」文化の代表と言ってもいいと思います。
では、そもそも日本庭園はいつ頃できたのでしょうか。
日本庭園のはじまりは今から約1400年前と言われています。朝鮮半島から日本に初めて庭園の技術が伝えられました。
710年(奈良時代)に平城京(へいじょうきょう)という首都が建設され、このとき都の計画に合わせて大規模な庭園が造られることになります。
当時の庭園は自然の形をした池を造り、そこに注ぐ水の流れを川や滝として再現していました。
これが後に、日本庭園の「枯山水(かれさんすい)」の基礎となります。
枯山水とは、水がない場所で石や砂、植物、地形を利用して水の流れを表現した日本の代表的な庭園の形式のことです。
鎌倉時代(1185年~1333年)には、主に座禅で修業をする仏教の「禅宗(ぜんしゅう)」が中国から日本に伝わり、禅の修行の場として枯山水庭園が造られるようになりました。
修行や思想をはじめとして、水墨画や書物、作庭など禅にもとづいた文化芸術が盛んになり、やがて茶道へとつながっていきます。このように禅は日本文化の骨格を形成しており、日本庭園にはその思想がよく表われています。
残念ながら京都の庭園の多くは争いによって焼失してしまいましたが、人々によって再建され、現代にも禅文化と共に受け継がれています。
それでは、京都でおすすめの日本庭園を3つ紹介します。