おすすめ度★★★ 『抹茶』
まずはやっぱり、世界中で愛されている日本の味といえば「抹茶」ですね。
今では英語で「MATCHA」と表記されるようになり、抹茶ラテや抹茶アイスクリームなどを扱うお店も増えて海外でも抹茶の知名度は高くなってきています。
抹茶といえば甘いスイーツのイメージを持つ人が多いかもしれませんが、実は抹茶そのものはとっても苦いんです。
そもそも「抹茶」とは、「碾茶(てんちゃ)」という種類の茶葉を粉末状にしたものです。
強い日差しに当たらないように特別な方法で栽培して、それを蒸して乾燥させて余分なものを取り除いて作られているため、旨み成分と渋み成分がギュッと詰まっています。
では少し抹茶の歴史を覗いてみましょう。
お茶は800年ごろに中国から日本に伝えられ、はじめは薬として飲まれていました。
少しずつお茶の文化が普及し始め、1200年ごろから京都の「宇治(うじ)」という地方を中心に国内でも本格的にお茶の栽培が開始されました。
この頃からお茶は薬としてだけではなく、心身共に健康になる飲み物として瞑想の際などに取り入れられるようになりました。
その後1600年ごろに「千利休(せんのりきゅう)」という茶人が抹茶を使ってお茶会を楽しむ作法を普及させました。これが茶道(さどう)の始まりだと言われています。
客室にお客を招き、相手のことを考えながらお茶を立て、和菓子と一緒に味わってもらうという茶道の世界には日本の「おもてなし」精神が表れています。
千利休は禅の影響を強く受けていて、質素に今あるものを受け入れて楽しむという「侘び寂び(わびさび)」の精神も茶道の普及と共に広がりました。
日本を訪れる際には抹茶スイーツだけではなく、本物の抹茶の味を体験することでさらにその奥にある日本人の精神文化も感じてもらえたらと思います。
初めて飲む人にとって抹茶は、苦くて飲みにくいという印象を持たれるかもしれません。そんな時は先に和菓子を食べて口の中を甘くしてから飲むと、ちょうどいいバランスで抹茶の苦みを楽しめますよ。
京都では本格的なものからカジュアルなものまで、いろいろなスタイルで茶道が体験できます。
中でも先ほど紹介した「宇治(うじ)」はお茶文化発祥の地だけあって抹茶を扱うお店も多く、街全体にお茶のいい香りが漂っています。
お茶屋さんで気軽に抹茶と和菓子を頂くこともできるので、ぜひ本格的な抹茶を味わいたい方は京都の宇治を訪れてみてくださいね。