UPDATE | 2022年05月01日
「は」と「が」は、いつ・どうやって使えばいいでしょうか。どちらも同じ？と思うかもしれませんが、「は」と「が」を間違えると意味が変わることがあります。このコラムでは「は」と「が」の使い方を分けて紹介します。後半では、同じ文で「は」と「が」を使った時の意味の違いを説明します。みなさんの日本語の会話のヒントになりますように。
INDEX
自分が今見ているもの、本の中で景色や人の様子を紹介するとき、物がどんな様子かを説明する時には「が」を使います。例えば、こんな使い方です。
・鳥がとんでいる
・花がきれいだね
・海が見えるよ
・山田さんが座っている
・ケーキが残っている
・子どもが笑っている
・スマホが壊れちゃった
体の調子を話す時も「が」を使います。「体のパーツ＋が＋体の調子・様子」で伝えることができます。病院に行く時にも使えるので、ぜひ覚えてくださいね。
・頭がいたい
・足がつめたい
・手が乾燥している
・目がつかれてきた
・熱があるみたい
・背中がかゆい
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「〇〇について」質問するときは「は」を使います。「名詞＋は＋～～ですか？」は簡単なので、復習しておきましょう。
・田中さんはいますか？
・トイレはどこですか？
・これはどうやって使いますか？
・辞書はどこにありますか？
・週末はどうでしたか？
・学校は楽しい？
疑問詞「何」「だれ」「いつ」「どこ」がすぐ前にくる時は「が」を使います。
・何がありますか？
・だれが来ましたか？
・いつがいいですか？
・どれが好きですか？
「は」には「比べる」という意味があります。自分の名前や出身、年齢など「他の人と違う情報を言う時」「特に言いたいことがある時」には「は」を使います。
・彼は背が高い（他の人は彼より背が高くない）
・これは「消せるペン」です（他のペンは消せない）
・弟は19歳です（他の人は19歳じゃないかもしれない)
・日本の冬は寒いです。（他の国は寒くないかもしれない）
・この漢字は難しいです（他の漢字は簡単かもしれない）
「今日はきれいですね」とほめたけど、その人は「え？ 他の日はきれいじゃない、という意味？」と思うかもしれません。誰かをほめる時には気をつけてくださいね(笑)
ここからは、「は」と「が」の使い方を比べてみましょう。同じ文で「は」と「が」を使うと意味がどのように変わるか、下の文で見てみましょう。
①このマンガは好き？
意味：そのマンガが好きじゃないなら、別のマンガはどう ？
②このマンガが好き？
意味：あなたは、このマンガが好きみたいだね？
①この服、色はいいよね
意味：でもデザインや値段など、色以外は、あまりよくないね...
②この服、色がいいよね
意味：この服、特に色がいいと思う！ or この服、私の好きな色だ！
①私は行きます
意味：他の人が行くかどうかは知らないけど...
②私が行きます
意味：他の人はその場所に行かないみたい。じゃあ私、行こうかな！
①ラーメンは好きです。
意味：でも、今日は食べたくない or このラーメンは好きじゃない
②ラーメンが好きです
意味：好きな食べ物？ ラーメンです！ or ラーメン、おいしいよね！
問題1：Bさんが言いたいことは、何でしょう？
A：「料理、作ってみたんだけど、どう？」
B：「うん、においはいいね」
問題2：AさんとCさんが言いたいことは、何でしょう？
A：どのケーキにする？
B：たくさんあるね。どうしよう？
C：あ、これがいい！
A：私は、それはいいかな～
問題1のこたえ
例：「においはいいけど...見た目はよくない／おいしくなさそう...」
→においはいい。でも他はよくないと思う。
※比べているので「は」を使っています
問題2のこたえ
Cさん：このケーキが食べたい！
Aさん：私は、このケーキは食べたくない...
→Aさんは「私は」「それ（そのケーキ）はいい（いらない）」
※AさんはCさんと違う意見を言っている（比べている）ので「は」を使っています
クイズが難しかった人は、このコラムをもう一度読んで「は」と「が」の使い方を復習してみてくださいね。次回のコラムも、どうぞお楽しみに！
九州の日本語学校や大学で日本語を教えています。ゲームと漫画が大好き。 日本語を勉強している人のために地域の日本語教室を創るコーディネーターやWebライターの仕事もしています。
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