UPDATE | 2021年11月10日
「今、日本人は本当にこんなきれいな日本語を使っているのかな？」教科書を開いてそう思ったことはありませんか？ 日本の若者の間で流行になっている言葉は、教科書には書かれていません。しかし日本語文法の勉強をするときに、役に立つものがたくさんあります。この記事では三つ紹介します。
流行語はすぐに変わります。そのときの日本の雰囲気を表しているものが多いからでしょう。
しかし、どんな時代も、若者は日本語を短くした言葉を使います。そして、長く残る言葉もあります。私が10代のときに流行した「きもい」（気持ち悪い）や「てか」（というより）は今も使われています。
もちろん全部ではありません。「おっはー」（おはよう）という言葉も流行していましたが、今は使う人がほとんどいません。
どの言葉が日本語として長く残るのか考えるのも楽しいですが、実は日本の流行語の中には、外国人が「今の日本」を感じながら文法を学べるものも多いのです。
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「大丈夫そう？」を短くした言葉で、10代や20代の若者が友達にメッセージを送るときなどによく使っています。「大丈夫そう？」の最後の「う」を削ることで、より軽い確認の意味になります。
これは何かを見たり聞いたりして、こうかもしれないと思ったときに使う「～そう」（「おいしそうです」「コーヒーを飲みたそうです」など）です。
日本語能力検定N4レベルの文法ですが、何かを見たり聞いたりして、それを誰かに伝えたいときに使う「～そう」（「大丈夫だそうです」「あの店の寿司はおいしいそうです」「明日のパーティーで、Aさんはコーヒーを飲みたいそうです」）と分けるのが難しいと言う学生がよくいます。
丁寧な言葉だと覚えるのが難しい言葉も、若者がよく使う流行語だと思えばわかりやすくなるのではないでしょうか。
これは日本語N3文法の「〇〇しか～ない」から来ている言葉です。つまり、「〇〇しか勝たん」は「〇〇しか勝たない」（「〇〇だけ勝つ」）という意味です。
ここで使う「勝つ」は、「いちばん強い」とか「いちばん好き」という意味で使われます。例えば好きなアイドルがBという名前だったら、その人が歌っている動画を見て「Bしか勝たん」と言うファンもいます。好きなもの（例えばうどん）を食べながら「うどんしか勝たん」と言っている人もいます。
若者がよく使う流行語でしたが、最近は30代、40代の人が使っているのを見るようになりました。「〇〇しか～ない」も留学生がよく間違う文法なので、この流行語を真似しながら覚えてしまいましょう。
最後に「きまずい」を紹介します。これは昔から使われている日本語ですが、人気のユーチューバーが言ったことで、今の日本人の若者もよく使う言葉になりました。お互いの気持ちが一緒にならなくて、気分が悪いと感じたときに使う言葉です。
また、この言葉は形容詞です。動詞だと思って使わないように気をつけてください。たとえば日本人は、「あの人といっしょにいると気まずいです」とか「気まずいカップル」という使い方をします。
短くして「きまず」と言うことがありますが、これは「きまずい」と一言だけ言いたいときに使います。後に名詞や「です」はつけられないので気をつけましょう。
日本語能力検定N4レベル以上なら、たくさんの人が知っていると思いますが、日本語は相手が友達や同級生じゃなかったら、使ってはいけない言葉があります。流行語や若者言葉もそうです。
上司や先生に言ったらとても失礼です。気をつけながら、楽しく流行語といっしょに日本語を勉強しましょう。
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読書が好きなフリーライター。大阪で生まれ育ち2010年に上京。取材記事や書評、コラムを執筆。現在は文筆業のかたわら、都内の日本語学校で外国人に日本語を教えている。
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